40代で転職先を探していると、仕事内容や年収には満足できそうなのに、「通勤に片道1時間かかるけれど続けられるだろうか」「年収を下げてでも家から近い会社を選ぶべきだろうか」と迷うことがあります。
通勤時間は求人票では小さな条件に見えますが、週5日出社する働き方なら毎日の生活へ繰り返し影響するため、転職後の満足度を左右しやすいポイントです。
総務省統計局が令和3年社会生活基本調査をもとに示しているデータでは、通勤・通学をしている10歳以上の人の平日の通勤・通学時間は全国平均で1日1時間19分となっており、東京都は1時間35分、神奈川県は1時間40分など地域による差も大きいため、単純に全国平均だけを基準に自分の許容時間を決めることはできません。
また、現在はテレワークやフレックスタイム制などを利用できる企業もあるため、片道60分でも週2日しか出社しない仕事と、片道45分でも週5日出社する仕事では、1週間に通勤へ使う時間が逆転する場合があります。
40代の転職で通勤時間を考えるときは、片道何分までなら一般的かを探すだけではなく、乗り換え、混雑、出社頻度、残業、始業時刻、在宅勤務、年収、家庭生活まで含めて「この通勤を数年間続けられるか」を判断することが大切ですので、求人検索から面接、内定後まで確認したいポイントを具体的に整理していきます。
40代の転職で通勤時間を決める方法
40代の転職で通勤時間を決めるときに、「片道30分以内なら正解」「1時間を超えたら長すぎる」と一律の基準を作る必要はありません。
同じ片道60分でも、座って一本の電車で移動できる人と、満員電車を利用して3回乗り換える人では負担が異なり、さらに週5日出社なのか週2日出社なのかによって一週間の通勤負担も変わります。
まず現在の通勤で感じている不満を整理し、自分が転職によって改善したい時間、許容できる片道時間、通勤方法、出社頻度という順番で条件を具体化しましょう。
現在の通勤時間を基準にする
転職先の通勤時間を決める第一歩は、一般的な平均時間を探すことではなく、現在の自分が通勤にどの程度の時間を使い、その時間をどう感じているのかを確認することです。
例えば現在片道70分で「これ以上は続けたくない」と感じているなら、次の会社では片道45分以内を希望条件にするなど、転職によってどの程度改善したいのかを数字にすると求人を絞りやすくなります。
反対に現在片道60分でも、電車一本で座って通勤でき、読書や勉強の時間として利用できているなら、単純に60分という数字だけを理由に転職先を30分以内へ限定する必要はないでしょう。
- 自宅を出る時刻
- 会社へ着く時刻
- 片道の所要時間
- 乗り換え回数
- 混雑の程度
- 現在の疲労感
- 帰宅時刻
- 改善したい時間
現在の通勤について「長い」「つらい」という感覚だけで考えず、駅まで15分、電車45分、乗り換え10分などに分解すると、何を改善すれば負担が減るのかも分かりやすくなります。
40代の転職では他人の許容時間より、現在の生活を基準として転職後に通勤負担が増えるのか減るのかを見ることが重要です。
片道ではなく一週間の時間を計算する
通勤時間を考えるときは片道の数字だけではなく、一日、一週間、一か月へ換算すると、その会社で働いた場合にどの程度の時間を移動へ使うのかを実感しやすくなります。
例えば片道60分なら往復2時間となり、週5日出社では一週間で10時間を通勤に使う計算になり、月20日出社と仮定すれば一か月では約40時間になります。
片道30分なら同じ条件で一週間約5時間、一か月約20時間となるため、片道30分の違いが一か月では約20時間の違いになり、その時間を睡眠、家族、趣味、勉強などへ使える可能性があります。
| 片道時間 | 往復 | 週5日の合計 | 月20日の合計 |
|---|---|---|---|
| 30分 | 1時間 | 5時間 | 20時間 |
| 45分 | 1時間30分 | 7時間30分 | 30時間 |
| 60分 | 2時間 | 10時間 | 40時間 |
| 75分 | 2時間30分 | 12時間30分 | 50時間 |
| 90分 | 3時間 | 15時間 | 60時間 |
もちろん電車内で仕事以外の時間を有効に使える人もいるため、通勤時間のすべてが無駄になるわけではありませんが、自由に場所を選べる時間ではないことも考慮する必要があります。
求人を比較するときは「片道15分しか違わない」と考えるのではなく、一週間や一か月で何時間変わるのかまで計算すると判断しやすくなります。
乗り換え回数まで確認する
同じ片道60分でも通勤の負担は同じではなく、乗り換えなしで移動できる60分と、短い間隔で2回、3回と乗り換える60分では感じ方が大きく異なる場合があります。
乗り換えが多ければ駅構内の移動や階段を利用する機会が増えるほか、一つの路線が遅延したときに接続が崩れ、予定していた時間より到着が遅くなる可能性もあります。
40代で毎日の負担を減らしたいなら、求人検索サイトに表示される「自宅から会社まで○分」という数字だけでなく、実際に利用する路線や乗り換え駅まで確認することが重要です。
- 乗り換え回数
- 駅構内の移動
- 徒歩時間
- 利用路線
- 遅延時の代替経路
- 急行の利用可否
- 始発駅の有無
- 駅から会社までの距離
例えば片道50分で3回乗り換える会社より、片道65分でも一本の電車で移動できる会社のほうが自分には楽だと感じることもあるため、時間だけで機械的に候補を外す必要はありません。
通勤時間は「何分か」という量だけではなく、「その時間をどのように移動するのか」という質まで見て判断しましょう。
混雑する時間帯を確認する
電車通勤では所要時間だけでなく、どの時間帯に移動することになるのかによって負担が変わるため、始業時刻と通勤経路をセットで確認する必要があります。
例えば同じ路線を利用する場合でも、一般的な通勤時間帯に乗車する会社と、フレックスタイム制などによって時間をずらせる会社では、通勤時間そのものが同じでも毎日の感じ方が異なる可能性があります。
特に現在の転職理由に満員電車の負担が含まれている人は、「次は片道45分以内」と時間だけを条件にするのではなく、混雑を避けられる始業時刻や柔軟な勤務制度も求人選びの条件にするとよいでしょう。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 始業時刻 | 移動する時間帯 |
| 利用路線 | 混雑状況 |
| フレックス | 利用できる時間 |
| 時差出勤 | 制度の有無 |
| 在宅勤務 | 出社日数 |
| 始発利用 | 座れる可能性 |
求人票にフレックスタイム制と書かれていても、コアタイムなどの条件によって希望する時間に出社できない場合があるため、制度名だけではなく実際の利用方法を確認することが大切です。
通勤時間を減らすことが難しくても、通勤する時間帯を変えることで負担を改善できる場合があるため、時間と混雑を分けて考えましょう。
出社頻度を含めて考える
テレワークを導入している企業を検討する場合は、片道の通勤時間だけでなく週に何日出社するのかを確認すると、実際の通勤負担を比較しやすくなります。
例えば片道70分でも週2日出社なら一週間の通勤は往復で約4時間40分ですが、片道40分で週5日出社なら約6時間40分となるため、会社までの距離が近い後者のほうが一週間では通勤時間が長くなります。
国土交通省はテレワークについて、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方として位置づけ、通勤混雑の緩和などの効果も期待されるとしています。
- 週の出社日数
- 在宅勤務の日数
- 曜日の指定
- 試用期間中の扱い
- 部署ごとの運用
- 今後の制度変更
- 在宅勤務手当
ただし「リモートワーク可」という求人でも、実際には月数回だけ利用できる場合や、入社後一定期間は原則出社という場合もあるため、求人の言葉だけから週の出社回数を推測しないようにしましょう。
40代で遠方の求人まで選択肢を広げたい場合は、会社まで何分かという距離だけでなく、実際に一か月何回その距離を移動するのかまで確認することがポイントです。
残業後の帰宅時間を想定する
通勤時間が許容できるかを判断するときは定時退社した場合だけでなく、残業が発生した日の帰宅時刻まで計算することが重要です。
例えば18時終業で片道60分なら定時で会社を出れば19時頃に帰宅できても、毎日1時間程度残業すれば帰宅は20時頃となり、夕食、入浴、家族との時間、睡眠などに使える時間が変わります。
特に40代で子育てや家族との時間を重視する人は、通勤60分そのものより「残業した日に何時に帰れるか」が生活上の重要な判断基準になる場合があります。
| 条件 | 想定すること |
|---|---|
| 終業時刻 | 定時の退社時刻 |
| 平均残業 | 通常日の帰宅 |
| 繁忙期 | 遅くなる時期 |
| 通勤時間 | 会社から自宅まで |
| 終電 | 遅い勤務への対応 |
平均残業時間だけでは繁忙期の状況が分からないこともあるため、面接では通常期と繁忙期を分けて確認すると実際の帰宅時間を想定しやすくなります。
「片道60分なら許容できる」と判断する前に、忙しい日にも同じ通勤を続けられるかを考えておきましょう。
家庭の予定から逆算する
40代では仕事以外にも家庭で担っている役割がある人も多いため、会社への到着時刻だけでなく、何時までに自宅へ戻る必要があるのかから通勤時間を逆算する方法があります。
例えば平日は19時30分までに帰宅したい場合、通常の退社時刻が18時で平均的に30分程度の残業がある会社なら、片道60分では希望する帰宅時刻に間に合わない日が増える可能性があります。
子どもの送迎、夕食、家事、家族の介護など時間が決まっている予定があるなら、それらを求人選びの条件として整理しておくことが重要です。
- 希望する帰宅時刻
- 子どもの送迎
- 家事の時間
- 介護への対応
- 睡眠時間
- 平日の自由時間
- 家族との時間
家庭事情がない人でも、運動、勉強、副業、趣味など転職後に確保したい時間があるなら同じ考え方で条件を作ることができます。
一般的に何分まで通勤できるかではなく、自分が守りたい生活時間から逆算すると、片道時間の上限を決めやすくなります。
5年後も続けられる距離か考える
40代で転職する場合は、入社直後だけでなく数年後も同じ通勤を続けられるかという視点を持つことが重要です。
転職直後は新しい仕事への意欲が高く片道90分でも問題ないと思えても、それを週5日、数年間続けることになれば、当初想定していなかった負担を感じる可能性があります。
また、現在は家庭の予定に余裕があっても、数年後に親の介護など生活環境が変わる可能性もあるため、限界に近い条件を前提に転職先を決める場合は慎重な検討が必要です。
- 週の出社回数
- 数年後の生活
- 転勤の可能性
- 勤務地の変更範囲
- 在宅勤務の継続性
- 今後の家庭環境
- 体力面の負担
一方で仕事内容や年収などを優先し、一定期間は長距離通勤を受け入れるという選択もあるため、長い通勤時間そのものを転職の失敗と考える必要はありません。
大切なのは、通勤時間の長さによって得られる条件と失う時間を理解したうえで、自分が納得して選択できるかという点です。
40代の転職で通勤時間は何分までなら許容できるか
転職先を探すときに「片道何分までなら普通なのか」という目安が欲しくなりますが、通勤時間には居住地域や交通手段による大きな違いがあります。
総務省統計局が令和3年社会生活基本調査をもとに紹介している通勤・通学時間では、平日の全国平均が1日1時間19分である一方、神奈川県は1時間40分、東京都と千葉県は1時間35分となっており、地域によって通勤事情が異なることが分かります。
そのため平均時間を「ここまでなら我慢すべき」という基準として使わず、自分にとって片道30分、60分、90分が生活へどのような影響を与えるかを考えて決めましょう。
片道30分なら生活時間を確保しやすい
片道30分程度であれば往復で約1時間となるため、週5日出社でも一週間の通勤時間は約5時間に収まり、長距離通勤と比べて仕事以外の時間を確保しやすくなります。
特に現在片道60分以上かかっている人が30分程度の会社へ転職すれば、単純計算では一日1時間前後の時間が増えることになり、その時間を睡眠、家事、運動、家族との時間などへ使える可能性があります。
ただし、30分という数字だけで働きやすい会社と判断することはできず、残業が長ければ会社から近くても帰宅時刻が遅くなるため、勤務時間と合わせて確認する必要があります。
- 残業時間
- 始業時刻
- 休日出勤
- 在宅勤務
- 勤務日数
- 仕事内容
また、自宅から近い会社だけに求人検索を限定すると、希望する仕事内容や年収の求人を見逃す場合もあるため、最初から30分以内だけに絞るべきとは限りません。
通勤時間を最優先する理由が明確なら強い条件にし、仕事内容や年収を優先するなら少し範囲を広げるなど、自分の転職目的に合わせて調整しましょう。
片道60分は移動方法で負担が変わる
片道60分は往復すると一日約2時間になるため、週5日出社なら一週間に約10時間を移動へ使うことになりますが、許容できるかどうかは通勤方法によって大きく異なります。
乗り換えなしで座れる60分なら本を読む、動画を見る、資格の勉強をするなど比較的自由に時間を利用できますが、混雑した電車で立ち続け、さらに複数回乗り換える60分なら同じ時間でも負担を感じやすくなります。
また週2日程度の出社なら、片道60分でも一週間の通勤時間は約4時間となるため、近距離でも毎日出社する会社より通勤負担が小さくなる場合があります。
| 片道60分の条件 | 確認する視点 |
|---|---|
| 乗り換えなし | 車内で過ごしやすいか |
| 複数乗り換え | 移動負担が大きくないか |
| 週5日出社 | 毎週約10時間の移動 |
| 週2日出社 | 毎週約4時間の移動 |
| フレックス | 混雑を避けられるか |
60分という数字を見て即座に長い、短いと判断するのではなく、その60分をどのような環境で何日繰り返すのかを見ることが大切です。
応募前には平日の実際の出勤時間帯に経路検索を行い、可能であれば面接時に現地まで移動して体感しておくと判断しやすくなります。
片道90分以上は継続できる条件か確認する
片道90分なら往復3時間となり、週5日出社の場合は一週間で約15時間、月20日出社なら約60時間を通勤へ使う計算になるため、長期的に継続できるか慎重に考えたいところです。
ただし週1回しか出社しない仕事、始発駅から座って移動できる仕事、勤務時間が短い仕事などであれば、片道90分でも本人が納得して選択するケースは考えられます。
一方で毎日出社し、さらに残業も多い会社の場合は、仕事そのものだけではなく通勤を含めた拘束時間が長くなるため、睡眠や家庭生活への影響まで確認する必要があります。
- 毎週の出社回数
- 残業の実態
- 座って移動できるか
- 乗り換え回数
- 始業時刻
- 在宅勤務の継続性
- 転居の可能性
仕事内容や待遇が非常に魅力的で長距離通勤を受け入れる場合は、「最初の一年だけ通勤して将来転居する」など中長期の計画を持つ方法もあります。
長距離通勤が絶対に悪いのではなく、その負担を上回る理由が自分にあり、数年後も継続できる見通しを持てるかを基準に判断しましょう。
40代は通勤時間と年収をどう比較するか
40代の転職では「年収600万円で片道90分」と「年収550万円で片道30分」のように、収入と通勤時間のどちらを優先するか迷うことがあります。
年収差だけを見ると前者が魅力的でも、毎日の通勤時間を年間で計算すると自由に使える時間には大きな差が生まれるため、金額と時間を別々に比較することが大切です。
通勤時間が短ければ必ず良い転職になるわけではないため、仕事内容、年収、勤務時間、出社頻度なども含め、自分が転職によって何を改善したいのかを基準にしましょう。
年収差だけで会社を選ばない
転職先を比較するとき、年収が50万円高い会社に魅力を感じるのは自然ですが、その会社へ通うために毎日どの程度の時間が必要になるのかも確認しましょう。
例えば片道30分の会社から片道90分の会社へ変われば、週5日勤務の場合は往復で一日2時間、一週間で10時間程度通勤時間が増える計算になります。
その年収差と追加される通勤時間を比較し、それでも仕事内容や給与に魅力を感じるのかを考えると、自分にとっての優先順位が見えやすくなります。
- 提示年収
- 年間賞与
- 通勤時間
- 残業時間
- 年間休日
- 出社日数
- 仕事内容
- 将来のキャリア
もちろん通勤時間を時給へ単純換算して会社を選ぶ必要はなく、高い専門性を身につけられる会社なら長距離通勤を一定期間受け入れるという考え方もあります。
重要なのは高い年収を見た瞬間に通勤条件を軽視せず、その収入を得るために毎週どの程度の時間を仕事と移動へ使うことになるのかを理解することです。
通勤時間短縮の価値を計算する
現在片道75分の人が片道30分の会社へ転職すると、一日で90分、一週間では7時間30分程度の通勤時間を短縮できるため、年間では大きな時間になります。
この時間を睡眠へ使うのか、家族と過ごすのか、資格取得などの学習へ使うのかによって、通勤時間短縮から得られる価値は人によって異なります。
そのため年収が少し下がる求人でも、通勤時間が大幅に短くなることで転職目的を達成できるなら、候補から外す必要はありません。
| 比較項目 | 現在 | 転職先 |
|---|---|---|
| 片道通勤 | 75分 | 30分 |
| 往復通勤 | 150分 | 60分 |
| 週5日の通勤 | 12時間30分 | 5時間 |
| 残業 | 月30時間 | 月15時間 |
| 年収 | 600万円 | 570万円 |
この例では年収だけなら現在の会社が高いものの、時間という観点では転職先に大きな違いがあるため、どちらが本人に適しているかは転職目的によって変わります。
40代で時間を重視したい場合は、年収減少額だけを見るのではなく、その代わりに一週間で何時間取り戻せるのかも計算してみましょう。
交通費や通勤方法も確認する
長距離通勤の求人を検討するときは所要時間だけでなく、交通費が会社の規定内で支給されるか、利用したい交通手段が認められているかを確認することも必要です。
新幹線や特急を使えば通勤時間を短縮できる地域でも、その料金が通勤手当の対象になるとは限らないため、自分で利用を想定している場合は会社の規定を確認しましょう。
自動車通勤についても求人に「マイカー通勤可」と書かれているかだけではなく、駐車場、通勤手当、渋滞時の所要時間などを確認すると実際の負担を判断しやすくなります。
- 交通費の上限
- 定期代の支給方法
- 特急料金の扱い
- 新幹線通勤の可否
- 自動車通勤の可否
- 駐車場の有無
- 自転車通勤の可否
求人票に交通費支給と書かれていても上限が設定されている場合があるため、遠方の会社へ応募するときほど具体的な金額を確認することが重要です。
通勤時間を短縮するために追加費用が必要になる場合は、その費用を自己負担しても転職したい条件なのかまで考えておきましょう。
40代が求人で通勤時間を確認するときの注意点
求人検索では勤務地から通勤時間を予想できますが、表示された住所と実際に毎日働く場所が同じとは限りません。
本社所在地で求人が掲載されていても配属先が別事業所になる場合や、顧客先へ常駐する仕事、担当エリアを移動する営業職などもあるため、勤務地と働き方をセットで確認する必要があります。
40代で通勤時間を重視するなら、現在の勤務地だけでなく入社後の異動や転勤の可能性も確認しておきましょう。
勤務地の変更範囲を見る
求人票では雇入れ直後の勤務地だけを見るのではなく、就業場所の変更の範囲についても確認することが重要です。
2024年4月から募集時などに明示すべき労働条件として就業場所の変更の範囲が追加されているため、将来的にどの地域や事業所で働く可能性があるのかを見る材料になります。
入社時には自宅から30分の事業所でも、数年後に片道90分の事業所へ異動する可能性があるなら、その範囲を受け入れられるか考えておく必要があります。
- 雇入れ直後の勤務地
- 勤務地の変更範囲
- 転勤の有無
- 異動する可能性
- 事業所の所在地
- 転居を伴う転勤
変更範囲が広いから悪い求人というわけではなく、全国展開している企業では業務上広い範囲が設定される場合もあるため、自分の希望との一致を確認することがポイントです。
家庭事情などで勤務地を限定したい人は、入社時の場所だけではなく将来の異動可能性まで確認してから判断しましょう。
在宅勤務の実際の利用頻度を見る
「テレワーク可」「リモートワーク制度あり」という求人を見つけても、それだけで自宅勤務を前提に通勤時間を計算しないことが重要です。
国土交通省の令和7年度テレワーク人口実態調査では、雇用型就業者のうち直近1年間のテレワーク実施率は全国で16.8%とされており、テレワークという働き方は存在するものの、すべての仕事で利用できるわけではありません。
さらに制度がある企業でも、週1日、週3日、原則在宅など運用は異なり、職種や部署によって利用状況が違う場合もあります。
| 求人の表現 | 確認したい内容 |
|---|---|
| テレワーク可 | 週何日利用できるか |
| 在宅勤務制度あり | 対象となる職種 |
| ハイブリッド勤務 | 出社日数 |
| 原則在宅 | 出社が必要な場面 |
| フルリモート | 居住地の制限 |
特に片道90分など遠距離の会社を「週1日出社なら問題ない」と考えて応募する場合は、その出社頻度が自分のポジションにも適用されるか確認しましょう。
在宅勤務制度は将来変更される可能性もあるため、制度が変わって出社日が増えた場合にも通える距離かという視点を持っておくと安心です。
駅から職場までの時間を忘れない
求人の勤務地を検索すると最寄り駅までの時間に意識が向きやすいですが、自宅から駅までと、到着駅から会社までの移動時間も含めて通勤時間を計算する必要があります。
例えば電車に乗っている時間が35分でも、自宅から駅まで徒歩15分、会社の最寄り駅からオフィスまで徒歩15分なら、待ち時間を含めなくても片道65分程度になります。
さらに大規模な駅ではホームから改札までの移動や乗り換えに時間がかかる場合があるため、経路検索の数字だけでは実際の通勤時間を正確に把握できないことがあります。
- 自宅から駅
- 電車の待ち時間
- 乗車時間
- 乗り換え時間
- 駅構内の移動
- 駅から職場
- オフィス入館まで
面接で会社を訪問する機会があれば、自宅を実際の通勤に近い経路で出発し、会社へ到着するまで何分かかったか測っておくとよいでしょう。
毎日繰り返す移動だからこそ、地図上の距離や電車の乗車時間ではなく、玄関から職場までの実際の時間で判断することが大切です。
40代が面接と内定後に通勤条件を確認する方法
求人を見て許容できる通勤時間だと思っても、応募時点では勤務地や出社頻度が確定していない場合があります。
面接では配属予定地、在宅勤務、始業時刻、転勤などを確認し、自分が入社した場合の実際の通勤を具体的に想定しましょう。
内定後には最終的に提示された勤務地や勤務条件を確認し、現在の会社を退職する前に通勤面でも問題がないかを再確認することが重要です。
面接で配属予定地を確認する
複数の事業所を持つ企業へ応募する場合は、求人票に記載された場所だけを前提にせず、自分が採用された場合の配属予定地を確認しましょう。
本社で面接を行っていても実際には別の営業所へ配属されるケースや、入社後の研修だけ別拠点で行われるケースなども考えられるため、通勤時間を重視する人には重要な確認事項です。
質問するときは「通勤時間が心配です」とだけ伝えるより、「今回のポジションでは入社後はこちらの事業所への配属を予定されていますか」と具体的に聞くと確認しやすくなります。
- 入社時の配属先
- 研修場所
- 研修期間
- 異動の可能性
- 転勤の範囲
- 顧客先への常駐
営業職なら会社への通勤だけでなく担当エリアへの直行直帰があるのか、技術職なら顧客先で働く可能性があるのかなど、職種特有の移動も確認するとよいでしょう。
会社の住所だけで通勤可能と判断せず、実際に自分が日常的にどこで仕事をするのかを確認してから判断しましょう。
出社頻度と勤務制度を具体的に聞く
テレワークやフレックスタイム制が通勤負担を減らす重要な条件になっている場合は、制度の有無だけではなく実際の運用まで面接で確認することが大切です。
例えば「在宅勤務制度はありますか」という質問だけでは利用条件が分からないため、「今回の部署では現在週に何日程度出社する方が多いでしょうか」と聞けば実際の働き方を把握しやすくなります。
フレックスタイム制についても、入社初日から利用できるのか、コアタイムが設定されているのかなどによって通勤ラッシュを避けられる程度が変わります。
| 制度 | 質問したい内容 |
|---|---|
| 在宅勤務 | 週の利用日数 |
| フレックス | 利用時間・条件 |
| 時差出勤 | 選択できる時間帯 |
| 直行直帰 | 利用できる職種 |
| 出社日 | 曜日指定の有無 |
制度があるから必ず自分も自由に利用できると思い込まず、応募しているポジションにどのルールが適用されるのかを確認しましょう。
遠距離通勤を在宅勤務によって補うつもりなら、出社頻度は仕事内容や年収と同じくらい重要な転職条件として扱う必要があります。
内定後に勤務地を最終確認する
内定が出たら給与や役職だけを見るのではなく、自分に提示された就業場所や勤務時間などを確認し、面接で説明された条件と一致しているかを確認しましょう。
例えば面接では自宅から40分の事業所への配属を想定していたものの、最終的な条件では別拠点が示されている場合、そのまま承諾せず理由を確認する必要があります。
また在宅勤務を前提に遠距離の会社を選ぶ場合は、制度の適用時期や出社頻度について自分の認識と企業側の説明に違いがないか確認しておくことが重要です。
- 就業場所
- 変更の範囲
- 始業時刻
- 終業時刻
- 在宅勤務
- 転勤
- 交通費
- 試用期間中の勤務
内定を得ると「早く承諾しなければ」という気持ちになりやすいものの、40代で現在の会社を退職してから通勤条件の違いに気づくと簡単には戻れません。
最終的に自宅を何時に出て何時頃帰宅する生活になるのかをもう一度計算し、仕事内容や年収を含めて納得できる条件になっているかを確認してから判断しましょう。
40代の転職は通勤時間を毎日の生活から判断しよう
40代の転職で通勤時間を決めるときは、「一般的には片道何分までなら大丈夫か」という答えを探すより、自分が毎日無理なく続けられる時間を決めることが重要です。
総務省統計局が令和3年社会生活基本調査をもとに示している通勤・通学時間では、平日の全国平均は1日1時間19分ですが、東京都は1時間35分、神奈川県は1時間40分など地域差があるため、平均値は自分の通勤条件を考える参考情報の一つとして利用し、許容時間そのものは生活から判断しましょう。
片道時間だけでなく、週の出社回数、乗り換え、混雑、始業時刻、残業、駅から会社までの徒歩、在宅勤務などを組み合わせれば、同じ60分の通勤でも負担が大きく異なることが分かります。
特に40代では年収や役職を維持したい気持ちから遠方の求人まで候補に入れることがありますが、片道30分の違いでも週5日出社なら長期的には大きな時間差になるため、給与と時間のどちらを優先するのかを応募前に整理しておくことが大切です。
求人を見つけたら玄関から職場までの実際の時間を調べ、面接では配属予定地や出社頻度を確認し、内定後には最終的な勤務地や勤務制度まで確かめたうえで、「この通勤を数年間続けながら、自分が望む生活を維持できるか」という視点から転職先を選びましょう。

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